チェルシーのFWミハイロ・ムドリク(25歳)が、トッテナムへローン移籍することが決まりました。
契約は2026-27シーズン終了までのシーズンローン。
複数の報道によると、スパーズには£75mの買取オプションが設定されてイルと言われています。
長期離脱から復帰したばかりのムドリクが、シャフタール・ドネツク時代の恩師ロベルト・デ・ゼルビの下でキャリア再建を目指すことになります。
買取義務ではないため、チェルシーとしても、現時点で完全にムドリクを手放すのではなく、まずは1年間プレーさせたうえで将来を判断できる契約となっています。
ストラスブールやリーズも候補に
ムドリクを巡っては今夏、複数クラブからローンへの関心が伝えられていました。
特に有力候補とされていたのが、BlueCo傘下のストラスブール。
チェルシー側は当初、ムドリクをストラスブールへ送り、リーグ・アンで試合勘を取り戻させることを検討していたとされています。
リーズ・ユナイテッドも強い関心を示していましたが、チェルシーはプレミアリーグのクラブへのローンに消極的だったとも報じられていました。
しかし最終的には、スパーズからのオファーを受け入れることになります。
デ・ゼルビとの再会
現在スパーズを率いるデ・ゼルビは、ムドリクにとって非常に重要な人物です。
両者はシャフタール・ドネツク時代に共闘。
当時まだ若手だったムドリクを積極的に起用し、その才能を高く評価していました。
デ・ゼルビは過去にムドリクについて、
「いつかバロンドールを獲得できる可能性がある」
とまで語ったことがあります。
ムドリク自身にとっても、自分の長所やプレースタイルを熟知している監督の下でプレーできることは大きなメリット。
長期間公式戦から離れていた現在の状況を考えれば、全く新しい監督の下で一から信頼を勝ち取るよりも、すでに自分を理解しているデ・ゼルビとの再会はキャリア再建に適した環境と言えます。
2023年に£62mでチェルシーへ加入
ムドリクは2023年1月、シャフタール・ドネツクからチェルシーへ加入しました。
移籍金は基本額£62m。
さらにボーナスを含めれば、最大£89mまで上昇する大型契約でした。
アーセナルも獲得を強く望んでいましたが、チェルシーが争奪戦を制して獲得。
契約期間も2031年までという非常に長いもので、クラブが将来の中心選手として大きな期待を寄せていたことが分かります。
圧倒的なスピードとドリブル突破を武器に、プレミアリーグでも違いを作れる存在として期待されました。
しかし、その後のキャリアは決して順調ではありませんでした。
チェルシーでは期待に応えきれず
チェルシー加入後、ムドリクは随所で能力を見せながらも、安定して結果を残すまでには至りませんでした。
爆発的なスピードで相手DFを置き去りにする場面は何度もありましたが、ゴール前での判断やフィニッシュ、プレー選択の安定感には課題を残しました。
チェルシーでは公式戦73試合に出場して10得点。
約20カ月に及ぶ長期離脱
ムドリクにとって最大の転機となったのが、2024年末から続いたアンチ・ドーピング問題です。
2024年12月、禁止物質メルドニウムに関する検査結果を受け、暫定的に出場停止。
ムドリクは一貫して、禁止物質を意図的に使用したことはないと主張していました。
その後、長期間にわたって公式戦へ出場できない状態が続きました。
しかし2026年7月31日、FAによる手続きが解決。
チェルシーも公式声明を発表し、ムドリクが即時にフットボールへ復帰可能になったことを明らかにしました。
クラブは、現在の科学的な検査基準であれば当初のサンプルは陽性として扱われなかった可能性があることも説明しています。
結果として、約20カ月に及んだ長い空白期間がようやく終了しました。
プレシーズンで実戦復帰
処分解除後、ムドリクはチェルシーのチーム活動へ復帰。
プレシーズンではユベントス戦で途中出場し、約20カ月ぶりに実戦のピッチへ戻りました。
ただし長期間公式戦から離れていた影響は大きく、コンディションや試合勘を完全に取り戻すには時間が必要な状況です。
チェルシーとしても、すぐにトップチームの主力として計算するのではなく、継続的に試合へ出場できる環境を用意する方針を選択しました。
その結果、今夏は完全移籍ではなくローンでの放出を優先。
なぜライバルクラブへ?
チェルシーとスパーズはロンドンのライバルであり、両クラブ間での直接移籍は決して多くありません。
それだけに今回のローンは非常に珍しい取引です。
チェルシーは当初、リーズへのローンにも慎重な姿勢を示していたと報じられていました。
それでも移籍を認めた背景には、ムドリクの置かれている特殊な状況があるのでしょう。
今のムドリクに最も必要なのは、毎週のように試合へ出場し、公式戦のリズムを取り戻すこと。
さらにデ・ゼルビという信頼関係のある監督がいることも大きな要素です。
通常のローン以上に「選手の再生」を優先した判断と考えられます。
£75mの買取オプションは大きな設定額
今回の契約で注目されるのが、£75mと報じられている買取オプションです。
これは非常に高額な設定。
チェルシーが2023年に支払った基本移籍金£62mを上回る金額となります。
もちろんオプションであるため、行使義務はありません。
しかし仮にムドリクがデ・ゼルビの下で大ブレイクし、£75mで完全移籍となれば、チェルシーにとっても経済的には非常に大きな取引となります。
逆に十分なパフォーマンスを残せなければ、シーズン終了後にチェルシーへ戻る可能性があります。
つまりムドリク自身にとって、この1年間は今後のキャリアを大きく左右するシーズンになります。
チェルシーとの契約は2031年まで
重要なのは、ムドリクとチェルシーの契約がまだ長期間残されていることです。
2023年の加入時に8年半契約を結んでおり、現在の契約は2031年まで。
そのためチェルシーとしても、今夏に焦って安価で完全売却する必要はありませんでした。
まずはローン先で価値を取り戻してもらい、その後の状況を見て判断する。
今回のローンは、そうした意味でも合理的な選択です。
一方で、£75mという買取オプションが行使されれば、チェルシーで再びプレーすることなく完全移籍する可能性もあります。
ムドリクにとってキャリア最大の1年
ムドリクはまだ25歳。
一般的なアタッカーとして考えれば、これから全盛期を迎えてもおかしくない年齢です。
しかしチェルシー加入から約3年半が経過し、その間には思うように結果を残せなかった時期と、約20カ月にわたる長期離脱がありました。
才能そのものへの評価は依然として高い一方、もう「将来性」だけで評価される年齢ではありません。
実際に試合へ出場し、得点やアシストという形で結果を残す必要があります。



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