ユーロ雑感
約1ヶ月に渡って開催されたユーロは、イタリアの優勝で幕を下ろしました。
大会を通じて最もクオリティ高い試合を続けていたチームの順当な優勝だったと思います。
トーナメント勝負では、強いチームが必ずしも優勝できるわけではないですが、今回のイタリアは試練を乗り越えながら勝ち進んでいくストーリーも見事でした。
若手とベテランの融合や、サブメンバーの扱い方も含め、大会初日から一体感を感じました。マンチーニやヴィアリなどのスタッフ陣の手腕には拍手ですね。
その中で、チェルシーからはエメルソンとジョルジーニョがCLとユーロのダブル優勝を達成。
エメルソンは大会MVP級のパフォーマンスを見せていたスピナッツォーラの代役として、準決勝から先発。
インシーニェやヴェラッティとのコンビネーションから裏抜けを狙ったり、十分なパフォーマンスを見せていました。
ジョルジーニョはイタリア代表で欠かせない選手でした。
全試合先発し、出場時間数、走行距離ともにフィールドプレイヤーとしては大会トップじゃないでしょうか。
決勝の5人目のキッカーとして出てきた瞬間に、イタリア優勝を確信しました。
結局外してしまうわけですが、サカも外してイタリア優勝が決まると、ホッとしたのか泣き崩れていた姿が印象的でした。
準決勝でのPK以外、派手なプレーはありませんが、大会通じて抜群の存在感でした。
大会MVPとなってもおかしくない素晴らしい働きぶりでした。
準優勝となったイングランドですが、このチームへの個人的評価は高くないです。
準優勝という結果を出したこと、守備陣(特にウォーカー)の頑張りっぷりはいいと思いますが、イングランドがカテナチオしていると言われているように、サッカーの質としては残念な内容ばかり。
前の豊富なタレントを活かしきれず、消極的なプレーばかりで見ていて楽しさは感じられませんでした。
マウントはそんな中でよくやっていたと思います。
CL決勝でもプレーし、ユーロ決勝でもプレーしたのは大きな糧になります。
ただ、もっとマウントが活きるサッカーを観たいです。
ジェイムスはウォーカーのパフォーマンスを見ると、さすがに出場は厳しい。
チルウェルに関しては、1試合も出場チャンスがなかったことに苛立ちます。ショウが良かったとはいえ、その控えにトリッピアーを置く采配は理解できませんでした。
準決勝で敗れた2チームでは、チェルシーのDF陣が奮闘しました。
アスピリクエタはいつも通り安定感抜群の守備で、イタリアの左サイドを封じていました。
スペインはオルモの0トップという未来に繋がりそうな発見をして、惜しくも敗れましたね。
デンマークは、全て使い果たしての敗退という感じでした。
クリステンセンも限界が来て、交代する形に。
決勝まで見たかったですが、本当によくやりきりました。
さらに一回り大きくなってチェルシーに帰ってきそうな雰囲気があります。
ユーロベスト11、MVP
では、ユーロのベスト11を考えてみます。システムは433で。
GK:ドンナルンマ(ゾマー)
DF:ウォーカー(ドゥンフリース)、ボヌッチ(カラス)、クリステンセン(キエッリーニ)、スピナッツォーラ(メーレ)
MF:ジョルジーニョ(ブスケッツ)、ディレイニー(ホイビュア)、ペドリ(バレッラ)
FW:キエーザ(ダムスゴー)、シック(ルカク)、スターリング(フォルシュベリ)
大会MVPは、ジョルジーニョ。文句ないでしょう。大会を通じてイタリアの中心選手でした。
GKはゾマーが良かったですが、ドンナルンマと存在感と安定感は抜群でした。優勝が決まった瞬間の立ち姿には、笑っちゃいました。常人のメンタリティではないですね。
DFでは、チェルシー関係を2人入れてみました。マグワイアなど他の候補もいるでしょうが、ここはクリステンセンとカラスを。
クリステンセンは、CBでも中盤でも好プレーを続け、大会ベストゴール級のシュートもありました。
カラスは、チェコの最終ラインを見事に支えていました。カラスが、この大舞台で活躍している姿を観れたことに感動です。
MFでは、イタリア、スペインだけでなく、デンマークのペアも素晴らしかった。
仕事量という点では、ディレイニーとホイビュアにかかる負担が莫大でしたが、よくやりきっていました。
FWは、デムスゴーがサプライズ。ほとんど知らない選手でした。
キエーザは、年々凄みを増してます。ベルナルデスキも負けずに頑張れ。
新シーズンに向けて
ユーロが終わって、長かった20−21シーズンも終了という気分になりました。
ただ、もうすでに21−22シーズンに向けてスタートしています。
代表に呼ばれることがなかったハドソン・オドイやエイブラハム、ローンバックの選手たちが続々とコブハムに戻っています。
チェルシーの選手の多くがユーロで勝ち進んだ(コパ・アメリカではチアゴ・シウバも)ことは喜ばしいですが、新シーズンに向けての調整はより困難になります。
選手補強、放出もこれから本格的に動くこととなります。
ハキミは残念がら獲得できませんでしたが、ポジション的に大きな痛手ではありません。
ハーランに全力をかけつつ、放出との兼ね合いの中でGK、CB、LB、インサイドハーフを埋めていくような感じでしょう。
最近噂にもなっていますが、サウール1枚取っておけば、上のGK以外はすべて務まるのでありなんじゃないかと思っています。
試合は少しお休みですが、ヨーロッパサッカーの動向は常にチェックし続けなければなりません。
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