FAは7月31日、代理人や仲介人、選手への第三者投資に関する規則違反を理由に、チェルシーへ£10mの罰金を科したことを発表しました。
さらに、チェルシーには移籍市場2回にわたる選手登録禁止処分も科されています。
ただし、こちらは2027年6月30日までの執行猶予となっており、現時点で選手の獲得や登録が禁止されるわけではありません。
チェルシーが74件の規則違反を認める
FAによると、チェルシーはFA規則に関する合計74件の違反を認めました。
対象となったのは、FAの代理人規則、仲介人との取引に関する規則、選手への第三者投資に関する規則です。
問題の大部分はアブラモビッチ前オーナー時代に発生しており、特に2010-11シーズンから2015-16シーズンにかけての取引が中心となっています。
現在のオーナーグループであるBlueCoは、2022年のクラブ買収に向けたデューデリジェンスの過程で問題を発見しました。
その後、クラブ側からFA、プレミアリーグ、UEFA、FIFAなどへ自主的に報告し、調査に必要な資料を提出しています。
FAの上訴委員会も、チェルシーが自主申告しなければ、今回の違反は発見されなかった可能性が高いと指摘しました。
当初は勝ち点6剝奪処分
独立規制委員会は当初、チェルシーに対して£10mの罰金に加え、プレミアリーグの勝ち点6を剝奪する処分を科していました。
勝ち点剝奪は即時適用ではなく、2026-27シーズン終了までの執行猶予処分でした。
規制委員会は、旧体制下で行われた一連の行為について、チェルシーが競技上の優位性を得る意図を持ち、実際に利益を得たと判断していました。
しかし、チェルシーは勝ち点剝奪を含む競技面の処分に異議を申し立てました。
£10mの罰金については上訴していません。
上訴により勝ち点剝奪が撤回
独立上訴委員会は、チェルシーが実際に競技上の優位性を得たと結論づけるには、十分な証拠が示されていないと判断しました。
また、クラブの自主申告や調査への全面的な協力、違反の大部分が旧オーナー時代に発生していたことなども考慮し、勝ち点6剝奪は重すぎる処分であると結論づけています。
その結果、執行猶予付きの勝ち点6剝奪処分は撤回されました。
上訴委員会は、試合やリーグ順位といった競技結果は、可能な限りピッチ上で決められるべきだという点も判断材料の一つに挙げています。
代わりに移籍市場2回の登録禁止処分
勝ち点剝奪の代わりに科されたのが、移籍市場2回にわたる選手登録禁止処分です。
処分の対象は、新たな男子選手を契約選手または奨学生として国内外で登録することです。
完全かつ連続した2回の移籍市場が対象となります。
ただし、この登録禁止処分は2027年6月30日まで執行猶予となっています。
したがって、チェルシーは現在も通常どおり選手を獲得し、トップチームやアカデミーへ登録できます。
今回の発表によって、直ちに補強禁止となったわけではありません。
執行猶予期間中に同一または類似する規則違反が新たに確認された場合には、登録禁止処分が発動する可能性があります。
£10mの罰金は確定
チェルシーに科された£10mの罰金は、上訴の対象になっていなかったため、そのまま確定しました。
FAは罰金の全額を、グラスルーツサッカーへ投資すると発表しています。
上訴委員会は、違反が長期間に及び、クラブ内の高いレベルで意図的な行為が行われていたとして、問題の深刻さを認めています。
一方で、現在のオーナーが買収完了前から問題を自主申告し、関係機関の調査に全面的に協力した点については、非常に大きな情状酌量の要素と評価しました。
プレミアリーグの処分とは別件
今回のFAによる£10mの罰金は、2026年3月にプレミアリーグから科された処分とは別のものです。
チェルシーはプレミアリーグの規則違反をめぐっても、合計£10.75mの罰金を科されています。
トップチームについては1年間の登録禁止処分が執行猶予となり、アカデミーについては9カ月間の登録禁止処分が科されました。
また、チェルシーはUEFAとの間でも、旧体制下の不完全な財務報告をめぐる和解を行っています。
FA、プレミアリーグ、UEFAによる処分は、旧体制時代の取引を発端としている部分があるものの、それぞれ異なる規則と管轄に基づくものです。
現在のチームへの影響は限定的
今回の最終決定により、チェルシーが2026-27シーズンに勝ち点を失うことはありません。
また、移籍市場2回の登録禁止処分も執行猶予であるため、現在進めている補強や選手登録に直接的な影響はありません。
クラブにとっては£10mという大きな罰金を支払うことになりますが、順位や欧州大会出場権争いへ影響する可能性があった勝ち点剝奪を回避できたことは、大きな意味を持ちます。
一方で、2027年6月30日までは登録禁止処分が執行猶予として残ります。
今後、同様の規則違反を起こさないためにも、代理人への支払いや選手取引に関する管理体制の徹底が求められます。
まとめ
今回、チェルシーに科された最終的な処分は以下のとおりです。
- £10mの罰金
- 当初科された勝ち点6剝奪処分は上訴により撤回
- 移籍市場2回にわたる選手登録禁止処分
- 登録禁止処分は2027年6月30日まで執行猶予
- 現時点で補強や選手登録への制限はなし
今回の違反は、その大部分がアブラモビッチ前オーナー時代に発生したものでした。
現在のオーナーが問題を発見して自主申告し、調査へ全面的に協力したことが、勝ち点剝奪の撤回や執行猶予付きの処分につながったとみられます。
チェルシーにとっては重い罰金処分となりましたが、競技面への即時の影響を回避し、旧体制時代から続いていた問題に一つの区切りをつける結果となりました。


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